妖精(フェアリー)は自然界に住んでいる、不思議で楽しいことを起こしてくれる自然の天使。
姿も性格もそれぞれ特徴があり、イタズラ好きで人間と同じくエゴがあって、自然の中で植物を住まいの家にして暮らしています。
木のこずえや切り株、湿地(湿地は妖精の王国では最も敬意を払われている場所だそうです。)に妖精は住んでいます。庭の花だんに咲いている花の間や、小道にも隠れているそうです。
妖精は地面に小さな足跡を残したり、ひらひらと飛ぶ蝶々の間を隠れながら飛んだり、大好きなパーティを開いた後には、ベリーの残りを置いたりするそうです。
食べた実の残りを置いておく、と聞くと想像するのは、例えばカタツムリが食べたあとの実にスジがスーッと残っているような感じでしょうか。イメージするだけで、わたしはすごく楽しくなります!
円形に生えているキノコの集団場所は「妖精の輪」とも呼ばれ、妖精がダンスをするための集会場のような場所だそうですよ。
妖精って日本にも古くから存在している妖怪と似たようなところもあって、そうイメージするとグンと親近感も湧きますね。
イタズラ好きな妖精のお試し
わたしは、置いてあったはずの場所に物が無くなっていて、あきらかにおかしいなと感じる時は、もしかすると妖精の仕業かなと疑います。
そんなときは、おまじないの言葉で物を探し当てます。
ニンニク、ニンニク・・・と言いながら(言葉に出せない時は心の中で唱えながら)失ったものを探すと、不思議と見つかるのです。これはわたしが子供の頃から頼りにしているおまじないです。ものが無事に見つかった時は、ニンニクにお礼を忘れずに言うことも大切なポイントです。
妖精のイタズラは、妖精からの試験。何が妖精のイタズラなのかを見極めることは、ムズカシイかもしれませんが「人間界ではふつうに考えるとつじつまが合わなくて、考えつかないような予想外の出来事」といえば伝わりますでしょうか。
キツネにつままれたような、と言う表現も当てはまりそうですね。
「?あれ?どうしてこんなことになるの?」「変だな?おかしい・・・?」「うーんどうして?」といったような言葉でも伝えることがむずかしいハプニングが現れたときです。
こういうときは、あわてず、パニックにならず、落ち着いて楽しそうに振る舞います。マドモアゼル・愛先生の妖精に関する著書を読む限りでは、嘘でも楽しそうに見せることがコツのように思えました。
冷静に楽しそうにやり過ごす姿を見せながら対応していくことで、妖精のお試しを乗り切るのが良さそうです。
おそらく妖精のお試しとは、妖精と仲良くなり、あちらの世界と通じ合うためのテストみたいなものではないかと思うのです。これをクリアすれば見えない存在の力を借りて、素晴らしい未来を作っていける「きっかけ」が生まれるのかなと思うのです。
【関連記事】
妖精茶会を夏至に開き、目に見えない不思議な世界や存在と触れ合うことを意識することの大切さ
妖精の軌跡は自然界の象徴としてもあらわれている
庭に落ちていたセミの羽を拾ったある日、羽の造りや模様が伝統工芸品のように美しくて、つい見とれてしまった時がありました。
この自然界は、なんて偉大な芸術家なのだろうと、感激のため息が出たものです。
そのセミの羽には、細くても力強さを感じさせる線が、羽一面に広がっています。
翅脈(しみゃく)と呼ばれるその線は、セミがこの自然界に生きた証を刻み込んでいるようにも見えました。
セミの羽だけでなく、トンボや蝶々、タマムシの羽もとても美しいものです。
ウスバカゲロウの繊細な羽は、触れるだけで壊れてしまいそうな危うさと、日影を好む生き方が感じられ、自然界のセンスに脱帽です。
自然の生物を見ていると、妖精の羽もこんな感じなのだろうかと想像します。
目に見えない存在の力によってエネルギーを満たしていく
石川県奥能登地方に「あえのこと」と言う、五穀豊穣を祈り田の神さまを祭る、古くから行われている儀式があります。
2009年11月にユネスコの世界無形文遺産に登録されました。
家の床の間に祭壇を作り、家の主人は紋付袴の正装で田に向かい、田の神さまを家にお招きします。
夜の場合は、ちょうちんを持ってのご案内です。
玄関では家族が全員で、神さまをお出迎え。
炉端でご休憩、お風呂に入っていただいた後、座敷でお膳立てのご馳走を捧げます。
山盛りの小豆飯、お味噌汁、煮物、焼き魚、甘酒の入った徳利を召し上がっていただきます。箸は栗の木でできた大きな箸です。
田の神さまは姿が見えないので、家の主人は、あたかも目の前に神さまがいるように演じます。
お膳の内容もひとつひとつ丁寧に説明します。おおよそ1時間後には神さまが食したと見て、お下がりとして家族でお膳の物を食べるそうです。
12月5日にお迎えして、神さまはそのまま年を越すとされ、翌年の2月9日に、主人が元の田へ送り出してクワを田に入れます。
この「あえのこと」は各農家の純朴な原始信仰から生まれた習わしだそうです。
毎年夏、お盆の時期に先祖を迎える時には、野菜で精霊馬を作り、お膳にお食事をのせて召し上がっていただきます。「あえのこと」は、お盆の時期に日本人が違和感もなく行っている「目に見えない不思議な存在と世界」を大切に丁寧に敬意を持って接待することと、とても似ていますね。
田の神さまも、先祖も、精霊も一般的には目には見えない存在です。
目に見えない存在を敬い、大切にする習わしは、妖精や自然霊の力無くして、人間の力だけでできることなどは大したことないのだと気付いた、古代からの揺るぎないおしえでもありました。
妖精関連の書籍は夢が詰まっていて、何度見てもうっとりさせてくれます。
妖精の手引き書 不思議で美しいフェアリーの世界 もお気に入りの1冊です。ビジュアル的にフェアリーの世界を楽しむことができる上、丁寧な解説もしっかりと書かれており、まさに妖精好きさんのためにつくられた本ですね。
文学、伝説、アートを通して表現されるフェアリーワールド。妖精ファッションやテラリウムの紹介ページはデザイナーの感性を感じ取れる素敵なシーンでもあります。
いくつものページを眺めたとき、あぁ。妖精の存在とは、それを愛する人たちの中にこそ息づいているのだと感じました。
スミレの砂糖漬けを手始めに、エディブルフラワーを使ったロリポップキャンディーやタルトのレシピページからも妖精に対する尊敬の念と仲良くしていきたいという願いが感じられます。
妖精がよころんで口にほおばる笑顔が目に浮かびます。これを作れたら、甘いものが大好きな妖精はきっとまわりに集まってくるでしょうね。
ページの縁(フチ)には、キラリと輝く銀色コーティングが施されています。実際に本を手にした時のみに味わえる、この魅惑的な演出は、妖精ワールドのミステリアスな雰囲気をさらに高めてくれました。
とてもファンタジックな1冊です。フェアリーを愛する方々にこっそりとお伝えしておきますね (^ ^)