蝶は変容と変化の象徴。サナギから蝶へ生まれ変わり上昇する過程から導きだされるサイン

蝶々は変容のシンボルであり、これからの喜ばしい変化を伝えるラッキーモチーフとして、世界中で広く親しまれています。

卵から生まれた幼虫がサナギとなり、蝶となって羽ばたく成長の様子そのものが、進化と上昇のサイン、幸運を運ぶ象徴として捉えられています。

さらに、天使や亡くなった人の魂が、愛と祝福をメッセージとして魂へ届けてくれるのだと言われることもあるようです。

 

蝶の中には、美しく、幻妖的な色や形、模様の羽を持つ種類もいます。

そのような羽で可愛らしく、ふわふわっと漂いながら、時には素早く飛行する様子からは、幻想的な舞を舞っているように見えてきます。

ミステリアスな雰囲気のバタフライエフェクトは、もしかすると現実世界との境界を薄めるダンスではないだろうかと、そんなことさえ感じさせてくれます。

ところで、幼虫のイモムシがサナギとなり、さらに蝶となる過程そのものを改めて見てみますと、やっぱり不思議がいっぱいです。

サナギの中はドロドロなのに、羽化して出てくる時は蝶の美しい羽が広がり、長い手足が現れます。

サナギの中では、どのような変化が起こっているのでしょうか。

 

最近、たまたま黒い蝶が我が家へやってきました。

それをきっかけに、蝶に変容する時には、サナギの中でどのようなシフトが行われているのだろうかと気になりましたので、改めて探究してみたい意欲が出てきました。

あわせて、蝶が持つシンボルやその意味、メッセージ性についてもお伝えしますね。

サナギを棺と仮定すると、蝶になる姿そのものが生まれ変わりの象徴

大きくなったイモムシは、ある日、エサを食べることをやめて、サナギになるための準備をします。

一生に一度の大改革ですね。しかし、サナギになる時には、ほとんど体の形は出来上がっているようです。

さらに言うと、実は卵から生まれてくる前から、イモムシの頃から、蝶になるための準備はすでに始まっているようなのです。

例えば蝶の羽になる「翅の芽(め)」と呼ばれるものは、体の内側に存在しているそうです。

イモムシ時代に作られていた基礎の部分は、未完成でありながらも、目立って見えなくとも、しっかりと根付いているのだということです。

そして、サナギになる1〜2日前には、成虫になるための変化も著しくなりますが、本格的な体の作り替えは、サナギの中で静かに行われます。

 

サナギって、一見、死んだようにも見えますよね。まったく動かないし、音も立てません。まるで棺桶の棺ような、そんな印象さえあります。

 

この時、サナギの中では、幼虫の筋肉は一度溶けてドロドロになっています。

酵素が出されて細胞組織を溶かし、特定の部位と神経以外は、新しく作り変えられているのだそうです。

蝶となって飛ぶために必要な強い筋肉が作られ、羽の翅脈(しみゃく)は広がり、目や脚がはっきりとあらわれます。

イモムシの頃によく使われていた消化器官は小さくなります。

羽化のあと、幼虫の頃に食べていた葉っぱは、もう食べません。成虫になれば花の蜜を吸います。大空へ羽ばたいていきます。行動範囲が一気に広がります。

変容、生まれ変わり、メタモルフォーゼン。そんな言葉がぴったりですね。

 

もしかするとサナギは、この3次元の空間とは異なる空間へ、時空を超えて送っている役割を果たしているのかも?と想像をかき立てます。

蝶が伝えてくれるメッセージと意味

蝶は、世界の宗教にも象徴として扱われているようです。

キリスト教では復活や不死、仏教では輪廻転生、インディアンたちには喜びと変化という象徴になっているということを目にしますと、人間は古くから、蝶の変容する姿に注目していたのでしょうね。

 

美しいものに変化する姿、羽ばたく姿からは飛躍や上昇、美、喜び、成長、幸運のモチーフになっているそうです。

 

蝶は、あの世からメッセージを届けてくれるシンボルにもなっています。

確かにあのフワフワとしながらもシャープに自由に飛び回る姿を見つめると、この世とは違った空間を作り出すダンスを踊っているのかもと思うこともあります。

わたしは蝶を見ると、幼虫の頃に作り上げていた基礎を、サナギという過程を経て蝶になるという変化に、特に注目します。

変化というものは、時に厳しく辛いものでもあります。楽なことばかりではありません。

その時に自分を見つめる、見つめ直すという過程が「サナギ」であり「羽化」なのだと思うのです。

 

「現状維持は後退するばかりである」というのはウォルト・ディズニーの名言でありますが、変化することを本能で避けるのは、変化することで死と直面していた原始時代の遺伝子が残っているからだという説もあります。

 

自分はどのような蝶になろうかな。

時にはそんな風にイメージして、現状から飛び立つような姿を思い描いてみると、変化すらを楽しんで受け入れる余裕が生まれたり、きっかけができたりするかもしれません。

 

変化の先にはまったく違う自分になれる、それに気づいてほしいと、蝶はあなたの目の前に現れて伝えてくれているのだと捉えてみると、同じ世界でも全くちがって見えてきたりするものです。

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