ペインボディとは心の痛み。思考を観察して今ここに生きることで過去の妄想から抜け出せる

ペインボディとは、私たちが引きずる過去の感情的な痛みだそうです。

エックハルト・トールの著書「ニューアース 第5章」によると、思考とは、自分が考えているものではなく「思考があなたに起こっているだけ」と伝えてます。

 

思考とは、例えば課題を解決するために能動的に考えていく行為を指すこともありますが、この場合の思考とは「ペインボディ(過去の感情的な痛み)を頭の中でおしゃべりする」という捉え方がマッチすると考えます。

 

人間は1日に7万回、頭の中でおしゃべりしていると言われます。おしゃべりが本人と一体化していると、おしゃべりは調子に乗り、本人の自覚なしに休みなく途切れることなく、あなたを引きずりまわします。

7万回のおしゃべりは、エゴと妄想を巻き込み、何度もつらい過去と感情を思い出させてあなたを反応させます。あなたがそれに気づかない限りは、止まりません。

 

これは「今ここに生きている」とは言いがたい状態です。しかし、不幸な自分が好きな人は、望んでこの状態にいるのも事実です。

 

頭の中のおしゃべりは、負のメリーゴーランド

ある出来事に痛みを感じると、頭の中のおしゃべりはとても喜びます。感情的につらい体験やネガティブ思考は、ペインボディのエネルギーとなり、周波数となります。まるで生き物のようです。

ペインボディは頭の中でおしゃべりをさせ、あなたに気づかれないように上手に隠れて、まるであなた自身がそう考えているのだと思い込ませるのが、とても上手です。

 

過去の古い感情をよみがえらせながらあなたを責め続け、価値がないと思い込ませます。

体は勝手に反応し感情が湧き上がり、涙が溢れて悲しくなります。過去の感情的な痛みをくり返し味わう、負のメリーゴーランドです。

あなたがペインボディに気づき、観察してみようと痛みをよく見つめた時、不思議なことに頭の中のおしゃべりは動けなくなるのです。

「あ。わたしは今、つらいことを思い出して思考しはじめているな。」「自分で自分を責めているな。」と、まず気づくことがとても重要です。

 

そうすると、おしゃべりは徐々に止まってきます。

ペインボディが好む周波数から、あなた自身を肯定するパワーあふれるエネルギーの周波数に切り替えられるきっかけが生まれます。

 

マイナスの思考に気づくことをしないで、観察せずにほおっておくと、どんどん心がマイナス感情の渦に飲み込まれてグルグルグルグル・・・と回り続けてしまいます。

過去は妄想、未来は幻想です。これに気づく事が「今ここに生きる」ことにもつながってきますね。

 

エゴと過去の感情との付き合いかた

エゴが愛と定義づけるものには、独占、依存、執着を含みます。このような場合は、人によっては愛ではなくなります。独占、依存、執着は、欠乏と不安を感じるところに存在します。

 

エゴは欠乏と不安を材料にして怒りと悲しみ物語をつくり、頭の中のおしゃべりと一緒に語り出します。妄想はどんどん膨れ上がり、過ぎ去った過去ですら、何度も新鮮に思い出させてくれます。

「私がこんなに尽くしたのに、なんで私のことに気を配らないの?」
「あの人はいつも言う事を聞かない。もうやってられない。」
「あいつのこと、絶対に信用しない。」
「あの人の行動、信じられない。俺の仕事を奪おうとしているのか?」
などなど・・・

 

人間には、古い記憶をずっと引きずる傾向があります。ですが、過ぎ去ったものをずっと抱えていると、新しいエネルギーが生み出されません。手放すことで新しいものを手にすることが可能になります。

ご自身の中に、欠乏感、むなしさ、さびしさがあってご自身を責めていると気付いた時は、ペインボディに向き合うチャンスです。過去にとらわれない新しい自分を表出させてあげられる時です。

 

まずは、ご自身の思いをノートや日記に全て書き出してください。

書くことが無くなっても、しばらくそのまま待っていると、また、ポツポツと頭の中に言葉が浮かび上がってくることもあります。すべて書いていきます。

書き終わった後は、それを眺めて受け止めてあげてください。書き出すという行為は、自分の心の底からの本心を聞いてあげる行為そのものです。

人に話を聞いてもらうのでは無く、自分で自分に聞いてもらうのです。自分で受け止めてあげるのです。

 

頭の中のものを吐き出すと、数時間後、または数週間後にはまたペインボディが浮かび上がってきます。それを観察し始めると、きっと頭のおしゃべりは止まるはずです。

そして、その時点でのあなたの思いを再び、ノートまたは日記に書き出します。これの繰り返しです。

玉ねぎの皮のようですね。むいてもむいても終わらない。次々と新しい皮が現れる(^_^;)

 

ペインボディを完全に無くすことは非常にむずかしく、一生をかけて付き合っていく必要があるものだと私は考えております。やっつけるものではなく、受けとめて認めることが大事なのだろうなと思っております。

そのためには、常にご自身の状態に気を配る必要があるということです。

 

ご自身と真剣に向き合うことでペインボディを知り、実は自分の過去の悲しみをくり返し味わっていただけなのだと気付いていくと、安らかな平穏な感覚を感じられることも自然と増えてきます。

ゆっくりでいいのです。あせる必要は無いのです。

まずは、どうぞペインボディに気づくことから始めてみてくださいね。

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